SNS文化圏の話(再掲)

旧ブログの記事を移植していなかったので、せっかくだから新しい記事として再利用しようかなって。昨年3月あたりに書いた記事なので、色々情報が古いのはお察しください。
あと、すげー長いよ。

今日はSNSについての話をします。
SNSと一言で言っても、色々あるのですが、今回は「mixi」とか「Facebook」といった、あのあたりのSNSについての話です。

そもそもからして、どうして今更SNSについての話をするのかというと、実家の母から「とある有料SNSに登録しているが、大変サービスが悪い」というようなメールを受け取ったからでして。
サーバーの容量とかリース料金と会費の収支がどうのこうの、なんてことも言ってたので、多分どこからか入れ知恵されてるんじゃないかと思いますけど。うちの家族はIT全般にそれ程強くないので。
休題。
そんな具合で、きっかけは母からのメールです。
なので、今回はそのメールの中で僕に対して投げかけられた疑問と、普段から僕が思っているSNSのあれこれを織り交ぜながらお話したいと思います。

まずは、SNSとはあんまり関係ない話。

母はとある有料SNS(某ロックバンドのWEBサイトにある公式コンテンツのようです)に加入しています。
しかし、毎月800円の会費を支払っているのに、全くサービスの質が悪い。
バンドのメンバーはほとんど日記を書かないし、炎上してもおかしくないような日記もあるのにほとんど放置状態・・・だ、そうです。

ひどいもんですね。
僕はSNSごときに金出すなんてバカのすることだと思ってるので、その実情は知りませんけども。
さて、そのような内容のメールの中で面白い一文があったのでそのまま引用します。

みんな一律800円の会費を支払ってるけど、その800円が何に使われてるかわかるほど表立ったサービスを受けてない!

100%のユーザー目線の意見ですね。僕はちょっとハッとしました。
支払った料金分のサービスを受けられる、というのは、全くもって普通の感覚なのですが、僕ら作り手は、サービス以外の色々なことにお金を使わなければWEBサイトを維持できないことを知っています。
SNSなんかになると、保守管理だけでもそこそこの額が必要になるんじゃないかな。しらんけど。
800円の会費は多分サイトの保守管理と運用、それに伴なう人件費にも流れてるわけで、ユーザーの支払う会費が100%サービスに反映されるかというと、決してそのようなことはありません。会社としても、経費差っ引いた上で利益出さなきゃいけませんから。
僕らはそれを知っています。何しろ作ってる立場ですから。
でもユーザーにはそんなこと関係ありません。払った分の金額に見合うサービスが受けられるのが当たり前だと、そう認識しています。まぁそれが普通です。

ここからSNSの話。

じゃあ、逆にサービスの良いSNSって何よ? ってことになるんですが、僕はこの問いに完璧な回答を持ちません。
SNSってのはコミュニケーションの場を提供するものであって、直球でコンテンツの良し悪しを論じることのできるWEBサイトじゃないですよね。
仮に良いSNSの条件を挙げろと言われれば、僕なら多分、不具合がなく快適に利用できること、と答えますが、それはサービスというより、土台や枠組みの話です。
「いいレストラン教えて!」って言われて、立地がいいからってだけで「近所の松屋」と答えるようなもんです。

SNSとは、仕組みであり、枠組みですので、「SNSの質」ってのの核は、多分それを利用するユーザーの質なんだと思います。
例えば、勝間和代や広瀬香美をはじめとして、有名人がTwitterを初めてからTwitterが流行りだしたように、そのコミュニティの中にどれだけ面白い人がいるのかというような。
mixiで言うなれば、仲の良い友達が利用しているから僕もやってみようかな、というような。
特にmixiのようなクローズドのSNSの場合、その中身は外側からでは判断できません。必然、周囲からの伝聞で質を判断するしかないので、そういうことが普通に起こります。
ちょっと言い回しが不自由ですが、ニュアンスで理解してくださいね。僕自身、かなり直感で書いてるとこありますので。

さて、それではSNSを利用するユーザーの満足度ってのは何なんでしょうか。
言うまでもなく「楽しいコミュニケーションができること」です。SNSってのはそのための仕組みですからね。
じゃあ「楽しいコミュニケーション」って何よ?…と、突き詰めれば、SNSの満足度ってのは、言わば「身内文化がどれだけ発達してるか」ってことなんじゃないかと思います。
「同じ話題で盛り上がれる」とか「共通の趣味嗜好がある」とか、そういう。
この手の「身内文化」というのは非常に厄介で、これが発展すればするほど新規の参入は難しくなりますし、俗に言う「駄サイクル」化が進みます。
客観的に見ると、どんどんつまらなくなるのです。ユーザーの質がその「身内文化」に平均化されていくわけですから。

そして、おそらくこの辺が現状のSNS最大の問題点だと思うんですが、SNS内でコミュニティの身内化が進むと、往々にしてユーザーのモラルが欠如していきます。
インターネットに限らず、コミュニティには「自浄作用」っつーのが必ずあります。
悪の巣窟と名高い「2ちゃんねる」にすら、それはあります。
しかし、身内化の進んだSNSの中では、それが上手く機能しません。

仮に、ある人が「今日万引きした!」みたいな事を言ったとしましょう。
もしそれが2ちゃんねるなら、即座に「通報した」ってレスがつきます。これは冗談でも何でもなく、(程度にもよりますが)マジで通報されます。

「小学校で小女子(←お魚の名前)殺す」って書き込んで通報された上に捕まった人もいました。
下手すると、学校や職場から本名、住所、顔写真にいたるまで暴かれることも少なくありません。
2ちゃんねるってのは、そのくらい悪人に容赦のない場所です。
ユーザーもそれをわかっていますので、そんな頭の悪いことを書き込む人は稀です。

さて、ではmixiで「今日万引きした!」って日記に書いたらどうなるでしょうか。
実際書いたことないんで何とも言えませんが、多分即通報するようなマイミクさんはいないでしょう。
せいぜい「ちょいワルの武勇伝」扱いです。
「あんまりヤンチャしちゃダメだぞ☆」程度のコメントはつくかもしれませんね。
何故そうなるかというと、書いた本人が「身内」だからです。
書いた本人もまた、「身内しか見ないだろう」という錯覚に陥っているが故に、そういう頭悪いことを何の疑いもなく書き込めるわけです。

mixiなどのSNSでこのような「炎上騒ぎ」が起きる理由は、もう一つあります。
ちょろっと前述しましたが、mixiのような招待制のクローズドSNSは、基本的に伝聞や口コミで利用者を増やしてきました。特に学生などの若年層ではそれが顕著です。
僕くらいの年代なら、一度は学校などで「mixiやってる?」みたいな話をしたことがあると思います。
で、このような広まり方をしたため、いわゆる「ITリテラシー」めいたものをきちんと認識している層が圧倒的に少ないのがmixiの利用者です。
mixiの初期体制もそれを助長していました。
「本名登録推奨」って時点で僕は目眩がするんですが、mixiはそういう、リアルの延長線上でのコミュニティを目指してたんだと思います。
招待制だから仲間内で楽しめるよ! だから本名で登録した方がいいよ! ネットでも仲間でわいわい楽しめるよ!…みたいなね。
そういう、リアルな友達と四六時中コミュコミュしたい奴らがネットに詳しいかというと、んなわけないよな。
結果、「身内とのバカ話」を何も考えずに書き込めるわけです。
見ず知らずの赤の他人に、本名から居住地から何から何まで大暴露していることにすら気づかずに。

よくわからない方向に話がズレたので、いったんまとめます。

SNSの質とはユーザーの質とほぼ同義ですが、コミュニティの発展に比例して「身内化」が進行していく。
同時に、特にクローズドのSNSでは自浄作用が上手く働かず、ユーザーが増えれば増えるほどモラルが欠落していく。
結果、平均値としてのユーザーの質が悪くなる。

さて、これだけを見ると、SNSには未来がないように見えますね。
実際、mixiなんかはそのようにして身内向けに凝り固まった結果、身動きが取れなくなっているのが現状のように思います。
で、だからこそ、コミュニケーション以外の付加価値が必要になってくる。
その打開策がmixiアプリだったんじゃないでしょうか。いや、想像ですけどね。

問題は、最初から付加価値がある程度整備されているSNS。あるいは、既存のコンテンツに対する付加価値としてのSNS。
それこそ有料のSNSなんかは、方向性として一貫したものがあるだけに、マンネリ化もまた早いんでしょう。
言わば、最初から身内化してる状態ですからね。
まぁ、その手のSNSはほとんど話題に上がりませんから、もしかしたら草の根的に面白いことやってるサイトがどこかにあるのかもしれませんけど。

話は変わって、制作者サイドのこと。
mixiに端を発するSNSブームが爆発的に広まった背景には「顧客の囲い込み」という魔法の言葉があります。
SNSの枠組みの中に大量の顧客を捕まえておけば、そこにプロモーションを投下するだけで効率良くPRができるわけで、実際これは効率がいい。

例えば以前、携帯版のmixiには、しつこいくらいBLマンガの広告が張られていました。
BLって、要するにホモマンガです。ゲイ。女性向け。それも腐った方の。
mixiは完全に若年層にターゲットを絞ってきていますが、特に女性へのアプローチには力を入れていますので、携帯でネットをするような若い女性を囲い込んでBL広告打ち込めば、それなりに効果あるんじゃないですかね。実際どうかは知らんけど。
あ、今はどうか知りません。ここ半年近く見てないので。

休題。

で、そのような企画は実際かなりウケました。
僕自身、「顧客の囲い込み」をうたったコミュニティサイトの企画に何度か携わったこともあります。
ですが、それもそろそろ食傷気味です。
「囲い込んだ後どうすんの?」ってことに頭を抱える企業が続出したからです。
いくら客を集めたところで、その客に対して継続的にアプローチをかけていかないと利益は生まれませんが、その具体的なプランが無かったんですね。
なまじターゲットを絞っているだけに、打てる弾の数が少ないから大変です。
後先考えず制作会社や代理店の口車に乗った結果がこれだよ!

まぁ、今のところはモバゲーあたりから流行った「SNS+ゲーム」っつーモデルがそこそこ成功してるようなので、何とかなってる感じですかね。
mixiにしろモバゲーにしろGREEにしろ、相当数のユーザーを囲い込むことには成功しているので、その中でのアプローチはアプリやゲーム以外にもまだまだたくさんあるはずです。
そういう意味では、SNS文化はまだまだ衰退しないだろうと思います。
当然、成長も難しいんですけどね。

おそらく、母の言う「とあるバンドの有料SNSに登録しているが、大変サービスが悪い」という、この一言は、長々と書いた様々な理由がゴチャ混ぜになって生じたマンネリなんでしょうね。
メジャーなバンドの公式SNS、という例で見れば、最初は多分「そのバンドのファンを囲い込むことで、関連商品やCDを効果的にPRできますよ」みたいな謳い文句でスタートした企画なんだと思います。
結果的にユーザーは増え、囲い込みは成功した。
しかし、前述した様々な要因から、ユーザーの質やモラルは勝手に低下していきます。
さらに、企業側は企業側で、囲い込んだ後のプランの適当さから、効果的なアプローチを見いだせずじまい。
結果、迷走あるいは放置という、お決まりの最悪コンボが炸裂して今に至る、というのが真相じゃないですかね。
しかもこれ、有料コンテンツなので、企業側は何もしなくてもある程度収入が見込めるだけに、今後の改善は絶望的です。
まだ無料のコミュニティなら、売り上げ立てるために必死になりもするんですけど。

なので、僕から言えることは、「とっとと見限れ」という、ただ一言に尽きます。

思いつく限り色んなこと書いたせいで収拾がつきません。
一応言っときますけど、この記事の内容は大半が想像や空想や、そういうものですので、あんまり信用しないでくださいね。
持論として、そう思ってますよって、それだけです。

  1. Do you have more great areiclts like this one?

  1. トラックバックはまだありません。