アコースティックキティ

アコースティックキティ

アコースティックキティ

作品集「AQUAFRAGME」より、「アコースティックキティ」

いつか君は気づくけど、それまで忘れないで。
君のつくる百億の破片にも価値はあるんだよ。
嘘は簡単に剥がれて、歌も届かないね。
それでいいと思うんだ。

やがて夕暮れの距離も、朝焼けの意味も、
何もかも無駄に思える日が来るとして、
不確かな呼気と、不完全な恋と、
哀れみをこめて見つめていて。

伝わることはないだろう、伝えることもないだろう。
それでも叫んだ愛の歌。
スピーカーなんかなくても、がらんどうの声帯から、
泣かないように歌うから。

例えば、心のような紛い物、あるいはクリアーな感情も、
君の全てを傷つけた。
居場所なんてないよと、俯く君に見えるように、
わたしが席を立つからさ。

そうして用意された空席の、あたたかな残滓と、
一輪の花の名前をただ覚えていて。
いつか君に会えるなら、破片越しの水槽から、
精一杯歌うから。

スピーカーなんかなくても。

スピーカーなんかなくても。

Pixivにもあります。

アコースティックキティ by halcana on pixiv

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