本当に必要なものの話

何気にAdobeのCreative Cloudを契約して随分経つのだけれど、僕が自宅で使っているPCのスペックでは、動画編集系のソフトが使えない。
Adobeさんは厳しいもんで、スペックが足りなければそもそもインストール可能なソフト一覧にPremiereやらAfterEffectやらを表示しやがらないのだ。腹立つ。
そんなわけで、メモリを増設するか、いっそのことPCごと買い替えてしまうか、ぼんやりと考えている。

僕はあまりPCの中をいじらない。
理由は至極単純で、ハードについての知識に乏しいからだ。
今更1から学ぶのも面倒だし、必要に迫られればググって済む程度のことなので、それについてはどうでもいい。
そういうわけで、とりあえずPCを新調する方向で色々と候補を探していた。

PCの購入と言えば、2年ほど前、妹がPCを購入したいということでアドバイスを求められたことがある。
妹の要望はごくごくシンプルなもので、予算内で見た目がかわいくて動画閲覧にストレスが無ければ何でもいいということだった。
最終的に僕が何を薦めたのかはよく覚えていないけれど、確か無難なメーカー製ノートPCを薦めたはずだ。
今時動画閲覧に支障をきたすほど低いスペックのPCを探すほうが難しいわけで、だったら見た目で選んじゃった方がいいよ、みたいなことも言った記憶がある。
で、結局、妹が買ったのはDELL製のPCだった。

理由は「安かったから」だそうだ。
よくよく考えてみれば合理的な話で、普通に新品のPCを買うとなると、載ってるOSは大体同じだし、スペックを気にしなければ比較するポイントは見た目と価格しかない。
(もちろんPCを日常的に酷使する人なら、インターフェイスだの何だのと気にするところはあるだろうけれど)
妹はそこで価格面を優先し、そのような結果になったらしい。
別にDELLのPCの見た目が他より劣っているにも関わらず、ということではなくて、女性向けにデザインされた可愛らしいPCを扱っているメーカーもある中で、彼女は最終的にそう決めたというだけの話だ。
だったら最初から「できるだけ安いのがいい」とでも言ってくれよと思ったものだけれど、僕の妹は最高に可愛いのでそんなことはどうでもいい。

……というようなエピソードをふと思い出した。
今にして思えば、そもそも妹はPCを買う必要なんてなかったのかもしれない。
彼女の要望だけをシンプルに考えれば、妹が求めていたのは「安くて見た目が可愛くて動画を見れる何か」だったのだから、例えばスマホだろうがタブレットPCだろうが何でも良かったはずだ。

で、つまるところ何が言いたいのかというと、僕らは何かを買ったり作ったりする時、決して商品やサービスそのものを欲しているわけではないということだ。
何かを購入し、利用して、その結果得られる変化だの経験だの体験だの効率化だの、そういうものが必要なんじゃなかろうか。
例えばベッドを新調したいと思った時、必要なのはベッドという商品ではなく、快適な睡眠という体験かもしれない。もしかしたらベッドである必要もなく、布団の方が良いのかもしれない。なんかこう、そういう感じ。

最初の話に戻ると、今の僕に必要なものは、新しいPCでも増設用のメモリでもなく、動画を制作する環境なのだ。
いやまあ、当然それ以外にも色んな要素はあるけれど、枝葉を無視して根っこだけを見ればそういうことになると思う。今は動画を作れないから、動画を作れる環境がほしい。それだけだ。

最終的に、僕はMBAにPremiereとAfterEffectをインストールした。
普段は自宅のWndowsマシンで全ての作業を行なっているせいか、MBAに動画編集の環境を作ることは全く考えていなかった。
Macはあまり使い慣れていないけれど、とりあえずツールさえ使えれば後は状況が何とかしてくれると思う。

まあ何だ。物より思い出。そんな話。

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